「ねぇ、ちょっと大変なことになってるから、見て!」と言われるままに、廊下の奥にあるガスや電気のメーター類がある小さな部屋に行くと、各戸の電気メーターの上を水が流れていて、ショートのためか、煙が立ちこめ焦げ臭いのです。「うわっ、これは危ないわよね」と返事をしつつも、どこに連絡したら良いものか 。「アパルトマンの管理会社はもう閉まっている時間だし、連絡するとしたらEDF(フランス電力公社)かしらね」
急いで家に戻り、EDFのファクチュール(請求書)を見ても、夜間に連絡出来る緊急連絡先が見当たらず。 兎に角、電話の子機を持って廊下に戻ると、ヤスミンが呼んだ同じ階に住むフランス人のムッシューが立っていました。Pompier(消防署)の18番を押してムッシューに渡し、細かい事情を説明してもらいます。お隣のヤスミンもアルジェリア人なので、やはり非常時にはフランス人がいてくれた方が心強いですものネ。
でも、電話が終わるとムッシューはまた部屋に戻ってしまったので、ヤスミンと2人で下に降りて、ポンピエ(消防士さん)を待ちました。ドアを開けてあげないとポンピエ達がデジコードで入れないので、建物の外で待つこと15分。遅いですね〜、でもちょっと前の2〜3度の頃と違って寒さが緩んでいて良かったですよねなんて世間話をしていたら、やっと(のんびり)ポンピエが2人やってきました。
まず私達が住んでいる3階のメーターボックスの部屋を見せると、「これはまずい」と言って、トランシーバーで応援のポンピエを呼びます。一緒に4階に上がり、5階、更に6階、そしてその上階にあるボイラー室(私はそんな所に初めて入ったぜぃ)に行くと、ポンピエ君達はすぐに水道の元栓を閉めてしまいました。するとボイラーもストップ、このアパルトマンは中央暖房なので、建物全体が冷えていきます。
その後すぐにEDFの人が到着(ポンピエ君が呼んだのでしょう)、アパルトマンの地下の電気の大元をクローズし、建物全体が停電。そしてポンピエの応援部隊が到着、各階をくまなく検査。段々、大事になってきました。それから、はしご車が到着!
どうやら6階のお宅から水が漏れ、それがどこからか電気の主管ケーブルを伝って流れ、 地下の建物全体の電気の配電部まで及び、かなり危険なことになっていたらしいのです。なので、その水漏れの原因のお宅に窓から入るための、水源をストップするためのはしご車だったみたい。
でも、今日近所のカフェで聞いた話によると、廊下から再三ドアをノックしても応答がないので、はしご車の出動になったのに、窓から入ろうとしたら、実はそのお宅のムッシューは在宅だったらしいです。
そんなわけで、昨夜から電気の供給が完全ストップし、暖房もコンロ(ウチのキッチンは電気コンロのみなので)もお湯もナシのサバイバル生活に突入。水道は6階のお宅の元が止められた後、使用可能になったので、トイレが使えるのがせめてもの救いです。
普段、使い放題のお湯が出ないだけでなく、コンロでお湯を沸かすことも出来ず、 電子レンジもオーブンも使えない、暖かいモノが皆無の状態に、キャンドルの明かりは可愛らしいけれど、読書には暗すぎるし、インターネットもTVも映画も、何も無い夜は味気なく、電気の有り難さが身に染みました・・・。
その後朝方までEDFの人達が作業を続けてくれて、今日も朝から大勢で修復工事を進めてくれたお陰で、今晩、家に戻ってみると電気が来ていました!明るいって素晴らしい〜!でもまだお湯は暖めるのに時間がかかるのか、冷たく、暖房もまだみたいです。さぶっ。
今晩は友人達と夕食の約束があったので、昼間、近所の美容院でシャンプーだけしてもらったのだけれど、日本では考えられないような、ライフラインの途絶えることのあるパリ生活を久し振りに満喫しました。
およそ24時間電源が入っていなかった冷蔵庫のお肉は、食べられるのでしょうか・・・?サバイバル生活の余波は、まだまだ終わっていません・・・。