2009/11/03

La Suite ELLE Déco par la Maison Martin Margiella

ずっと見たいと思いながら棚上げしていたエキスポジション、Elle Décoration という雑誌とMaison Martin Margiela(メゾンマルタンマルジェラ)の企画展、 Suite Elle Décoration を見てきました。



トロカデロのシャイヨー宮にある la Cité de l’architecture et du patrimoine(建築文化財博物館)で、昨年の12月に始まり、今年の10月までだったのが、好評に付き来年の2月1日まで延長になったという展示です。

2007年から2008年にかけて Christian Lacroix(クリスチャン・ラクロワ)とのコラボでやっていた企画の第二弾が、マルジェラなんですね。このシャイヨー宮の建築にも関わった建築家 Jacques Carlu(ジャック・カルリュ)の住んでいたアパルトマンの内装を、毎年デザイナーに依頼して改装して、平日は予約制、週末の土・日に一般公開されているというものです。



エレベーターを降りると、シルバーのカーテンとミラーで覆われた廊下が続き、最初のお部屋はパーティの準備がコンセプト。家具や犬まで?(笑) が全て白いコットンでカバーされています。マルジェラのショップみたいですネ。

 

壁は長年掛かっていた絵が全て取り外されたような、時間の経過を感じさせるペイント。窓は建築中の建物みたいにテープが貼られています。




もう一方の壁にも、昔は棚があったのかなと思うようなペイント。でも、よく見ないと分からないくらいのさりげなさです。



次のお部屋に入ると、モニター群。消えているモニターが3つあったので、そばにいた係の人に理由を聞くと技術的な問題とのこと、何か意味があるのかと深読みしてしまいました(笑)。



その後に続くスペースは、パーティルーム。テーブルの上には沢山のグラスが置かれ、椅子が積み上げられ、ピアノは演奏を続けていて・・・、誰もいなくなってもパーティが続いているかのようなインスタレーション。

遠目に見ると、白木のフローリングに見える床は、実はフローリングのプリントの絨毯です。



天井も、まるで繊細な装飾が施されたかのような柄のプリント。そうこのお部屋の装飾はみんな Trompe-l'œil(トロンプ・ロイユ、だまし絵)になっているんです。よく見ると天井の一部に、本物の天井のくぼみの蛍光灯が見えているのですが、装飾のプリントがあまりにもリアルなので、何だかどちらが本物なのか分からないくらいの、目の錯覚が起こります。



次のお部屋に続く、小さなスペースの壁にも、まるでドアとその奥にお部屋&窓があるようなプリントの壁紙。



そして、小さなクッションで覆われたお部屋に冷蔵庫?が置かれ、氷のマルジェラ・シューズ(とサイトには書いてあるのですが、氷で出来た靴なら冷凍庫だと思うのだけど・・・)が置かれています。私には、この展示の意味が分からず、質問出来る人を探したのですが見つけられませんでした。

昨日は11月の最初の日曜日で、パリの美術館は毎月最初の日曜が入場無料になるので、美術館の係員が沢山の入場者の対応に追われて、質問に答えてもらえる人がいなかったのです。どなたか、この冷蔵庫ルームのコンセプトをご存知の方がいらしたら、是非教えて下さいませ〜。



最後のお部屋は、 饗宴の間。テーブルのセッティングがされて、いつでもゲストが集まればすぐパーティが始められるようなデコレーション。ちなみに、正面の壁の非常口のランプの下のくぼみがあるところだけが本当のドアで、あとはトロンプ・ロイユの壁紙です。



廊下や他のお部屋に繋がっているかのような プリントの壁紙。この写真に写っている壁(非常灯の無い面)はただの平面の壁なんですが、写真に撮ると大きな空間が広がっているかのようですよネ。

こんな壁紙を貼ったら、ウチも少しは広く見えるかしらん。


la Cité de l’architecture et du patrimoine (建築文化財博物館)
Palais de Chaillot
1, place du Trocadero et du 11 novembre 75016 Paris
土・日曜日 14時〜17時
2010年2月1日まで